主催者挨拶

お母さんってこんなに大変なんだ。いつか私も、これからお母さんになる人たちの助けになれたらいいな。


それにしても、大船はこんなに栄えた街なのに、子連れでゆっくりできる場所がなんて少ないんだろう。


そんな自身の子育て中の実感から、2019年7月に『1day親子ひろば&カフェ』という活動をスタートしました。当初は大船駅徒歩圏内にあるカフェ『茶るら』の隣接スペースを借りての開催。見守りスタッフつきのキッズスペースを設置し、子どもを遊ばせる傍らカフェメニューをゆっくり楽しめる場を作りました。多くの方の協力のもと沢山の親子さんにご利用いただき、今後も開催を続けていこうと張り切っていた矢先、新型コロナウイルスが流行。予定していた親子ひろば開催は全て中止に。世間の混乱が続く中、我が子が不登校になるという個人的にとても大きな出来事が起こります。地域活動どころでなくなった2020年。私はすっかり弱り切って、もうこれまでのような活動は二度とできないかもしれないと思っていました。


『さっちゃんち』に出会ったのはそんなときです。懐かしさを感じる日本家屋と、温かく迎え入れてくれたスタッフの皆さん。これからこの家を【地域の居場所さっちゃんち】として地域の人に定期的に開放するという、その直前のタイミングでした。


どんな状況にあろうと、いち個人としてその時を味わうためだけに訪ねて行ける場所がすぐそこにある。このことは子どもの不登校や長引く新型コロナ流行で苦しい日々の中、心の支えのひとつになります。


様々なことを経て少しずつ気持ちが前を向き、2021年3月この【地域の居場所さっちゃんち】の和室を借りて、親子ひろばを再開することが叶いました。更に5月からは、不登校に悩む方が話せる場を作ろうと『不登校親の会』を開催(※親の会は2024年6月より休止中)。


どちらも自身の経験が源となる活動です。


産後の疲労に苛まれ、家族以外の人(社会)とのつながりが絶たれる中で味わった、自分が自分でなくなったような感覚。不登校中、生きるエネルギーを完全に失って苦しむ我が子とともに、自分自身の生き方を見つめ直した日々。

子どもといちばん多くの時間の過ごす親が少しでも楽にならないと、子育ての困難は大きくなるばかりです。では、楽になるってどういうこと?と考えたとき、それを実現するひとつの手として思い当たるのは『安心できる場がある』ということ。そして『安心できる場』がどういうものかというと、それは『自分を否定されない場』のことではないかと思うのです。


『母親』『父親』というものに対する世間の厳しい眼差しを自分の中に取り込んでしまっていないでしょうか。
SNSなどの普及でネガティブな話題を目にしやすい昨今、不安な気持ちをひとりで抱えていませんか。


もしよかったら、少しだけ肩の荷を下ろしに来てください。ここでは誰も、あなたの子育てや子どもの育ちにNGを唱えません。


一筋縄ではいかない子育ての日々、ほんの一瞬でも心を緩められるような場にできたらいいなと思っています。

ぜひ一度、訪ねてみてください。


大迫麻子(中高生二児の母)